院長こらむ:排尿のトラブル その1

排尿に関するトラブルは、いろいろとありますが、その前に、生理的メカニズムを簡単に説明します。血液の中の老廃物や水などが腎臓で濾過されて、尿が出来ます。腎臓から排泄された尿は、腎盂・尿管という管を通過して、膀胱に貯まります。膀胱に尿が貯まっていく期間(蓄尿期)は、膀胱の最大容量になるまで、どんなに動いても尿は漏れません。これは、膀胱の伸展による神経の刺激により、脊髄と脳に伝達され、ここで、自律神経(交感神経と副交感神経)の協調作用を起こさせます。膀胱が最大容量まで伸展している間は、交感神経刺激が起こり、尿道を緊張させます。一部は、膀胱を弛緩させる作用もあり、さらに、副交感神経の抑制という協調作用により、膀胱を弛緩させ、苦痛なく、尿を貯めることが出来ます。脳で尿意を感じます。だいたい、150ml前後で、最初に尿意として感じます。さらに、400-500ml程度で、一般に最大尿意となります。その間、排尿を決意すると、自分の意思により、副交感神経を興奮させ、膀胱収縮を起こし、その協調作用により、交感神経を抑制し尿道括約筋を弛緩させ、排尿となります。
これらの生理機能の調節がうまくいかない場合、いろいろの排尿異常の症状となって現れます。次回、具体的な症状の説明をしてみます。
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熊本城は、築城400年記念を行っています。熊本城内の桜も見ごろです。