院長こらむ:アンチエイジングのお話 その3

アンチエイジングの方法として、まずは、心がけ次第で誰にでも簡単にできることについて述べてみたいと思います。それは、オキシトシンというホルモンの作用に注目したものです。まだ、充分に解明されていないとのことですが、興味深いものでしたので、調べ得た範囲で、私なりに、わかりやすく述べてみます。 オキシトシンは、脳にある視床下部というところで作られ、脳下垂体から分泌されるホルモンです。このホルモンの歴史は古く、出産時に子宮を収縮させる作用のホルモンとして、1906年に発見されています。1950年代に人工合成に成功したヴィニョーという生化学者がノーベル賞を受賞しています。それ以後、このオキシトシンは、子宮収縮剤や陣痛促進剤として用いられています。
一方、最近のオキシトシンの研究より、人に親切にしたり、愛撫をしたり、親しい人と楽しく食事をしたりするだけで、オキシトシンの血中濃度が高くなることが判ってきました。さらに老化を促進させるいろんなストレスと関連しているコルチゾール(副腎皮質ホルモン)の分泌を抑えている可能性があります。いろんな研究により、オキシトシンの効果は、1)人への親近感、信頼感が増す、2)ストレスが消え、幸福感が得られる、3)長寿に役立つなどが判っています。また、(幸せ物質)(愛情物質)とも言われています。
健康で長生き(アンチエイジング)を皆が望んでいます。そのために、いろんなサプリメントを摂ったり、運動をしたり、食事に気を配り生活されています。このオキシトシン分泌促進法は、心がけ次第で、誰にでも簡単にでき、お金もかからず、しかも、相手に喜んでもらうという、二重効果もあります。
 人に親切にしましょう。人が成功されても、ねたまず、喜びましょう。人と仲良くしましょう。感謝の気持ちを持ちましょう。過去に囚われることなく、人を許し、自分にも優しくしましょう。やや、宗教的になりましたが、高僧は、みなさん長生きされています。ストレスをためこまず、健康で長生きするためには、自らの努力も必要です。