院長こらむ : コロナ禍に思う

新型コロナウィルス感染のパンデミックが起こって約3年になります。この間、いろんな行動制限が強いられ、期待余命が残り少なくなった高齢者にとって空白の3年間になりました。ファミリーが集い、楽しく過ごす時間の制限、友との語らいの制限、運動、旅行、飲食などの外出の制限、等々、貴重な時間が失われました。この’こらむ’にも1年以上訪れていません。ここに向かう気力が湧きませんでした。

私もここ3年、毎年恒例の海外旅行が中断し、国内旅行の山登り、ゴルフツアーも中止せざるを得ませんでした。全国学会もweb開催となり、懐かしい同僚と会う機会も減りました。地方の研究会も同様にweb開催が主で、以前のように同業者との情報交換や懇親もなくなりました。さらに、対面でもマスク越しの会話となり、相手の表情が読みづらく、感情の往来に何か違和感があります。美人は多くなりました。このように、人との出会いが少なくなり、その上、マスク越しの会話に違和感を覚える状況は、高齢者の認知機能にとって好ましいものとは思えません。

最近、やっとコロナ感染第7波が下火に向かいつつあり、行動制限が緩和されました。それに便乗というわけでもありませんが、3年ぶりに北アルプス登山に出かけました。4泊5日間で立山連峰(雄山、大汝山、真砂岳)奥大日岳、大日岳の贅沢な縦走を計画しましたが、台風14号の九州直撃のため、帰りのアクセス断裂が危惧されましたので、急遽、2泊3日の立山連峰の縦走だけに終わりました。コロナ感染といい、台風といい、予測できない現象に振り回されています。しかし、久しぶりの3000m級の登山を堪能しました。ただ、3年間のブランクのためか、低酸素濃度のためか、体力の衰えのためか、思いのほか息切れが強く、今後に少し不安を感じています。

新型コロナ感染第7波が下火となり、行動制限が緩和され、やっと登山旅行ができました。朝の来ない夜はないのと同じように、必ずパンデミックは収束します。それまでヒトの知恵で、いかにうまく感染と付き合い、これまでの日常生活を早く取り戻せるかを願うばかりです。’自由’の尊さを感じさせられるこの頃です。

 

室堂から望む、雄山(3003m) 雄山頂上にある立山雄山神社
雄山から見下ろした、登山基地・室堂 立山縦走の途中で、隣接する剱岳(2998m)